2012年の役どころはこちら
2011年の役どころはこちら
2010年の役どころはこちら
2009年の役どころはこちら
2008年の役どころはこちら
2007年の役どころはこちら
2006年の役どころはこちら
2005年の役どころはこちら
2004年の役どころはこちら

平成23年12月

◆ 「お江戸みやげ」  お辻
今年の4月に演じて以来2度目になります。あのとき丁寧にアドバイスを下さり、舞台稽古まで足を運んで下さった芝翫のおじさまが先日他界され、まさにこの狂言自体を受け継ぎお預かりした形となりました。前回以上に、常陸の国結城の里で不幸な婚姻生活を送り未亡人となったお辻の境界と、この年になって初めて恋を経験した中年女のほろ苦さ、そして若い二人の幸せを祈る気持ちを、奥深く表現したいと思っております。
◆「与話情浮名横櫛」 鳶頭金五郎
もうずいぶん前に代役で経験したものの、本役では初めてです。どうという役ではありませんが、気のいい役です。与三郎とともに客席を街道に見立てて歩く華やぎ、ことに京都の顔見世ですからお客様の高揚感をさらに煽るように、明るく楽しく勤めたいと思っています。
◆「仙石屋敷」  仙石伯耆守
平成18年の国立劇場以来2度目です。幕府の大目付でありながらも一武士としては赤穂浪士に心を寄せている・・・しかし幕府の官僚としては冷静に事に当たる。そのさじ加減が難しい役です。土屋主税や松浦侯のように全面的に赤穂浪士びいきを打ち 出せない。でもその行間から浪士に寄せる心を滲み出させなければならぬ枷があるところが、役者としての闘志を湧き立たせます。
また書院での聞き取りでは、討ち入りの始終を疑似体験しているような楽しみもあります。いずれにしても、浪士の棟梁大石内蔵助とは初対面ながら、男と男して通じ合う器量、懐の奥深さを互いに認め合い、束の間の対面ののち別れを惜しみあう、気骨のこもった武士同志の心のやり取りをお見せしたいと思っております。
◆「喜撰」  喜撰法師
東京、大阪の襲名披露、その後の巡業、そして平成20年の歌舞伎座、去年1月の追善舞踊会、と随分踊らせていただきましたが、この度初めて京都の顔見世で踊らせていただく機会を得ました。祇園のお梶のもとに宇治から足しげく通う喜撰法師ですから、まさにご当地狂言です。その嬉しさを感じながら、何とか曾祖父七代目の境地に近づけるよう心を新たに精進するつもりです。
平成23年7月
◆「素襖落」  太郎冠者
平成8年歌舞伎座以来二度目です。狂言舞踊のなかでは大曲ですので、15年前の初演のときはいささか硬さがあったと思いますが、今回はリラックスして狂言舞踊の明るさ大らかさをお伝えできれば、と思っております。前半の部分、屋島の戦物語を踊るくだり、そして酔いのまわった後半と、メリハリをつけ、全体としてはまろやかでコクのある仕上がりを目指したいと思っております。経験を重ねて自分のものとし、ぜひまた東京でも演じたいと思っております。
◆「江戸唄情節」  坂東彦三郎
初役です。主人公杵屋弥市の三味線を高く評価する、所作事が得意な歌舞伎界の大立物という設定になっています。坂東彦三郎という当時の人気役者らしい華やぎと大きさがまず表現できなければいけません。さらに情にも篤い人柄なので、芸力とともにそういった人柄も表わしたいと思います。
◆「伊勢音頭恋寝刃」  料理人喜助
二度目です。とにかく気のいい役ですので、貢を案じる誠実な人柄とともに、男気の爽やかさをお伝えできればと思っています。
閉じる
(C) Copyright 2001-2008 SUEHIROKAI All Rights Reserved.